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新着情報
2011.11.01 「中国における法意識-中国との相互理解のために-」掲載
隣国中国との関係がより一層緊密になる中で、中国をどの様に捉え、関係を構築するのかということは大変重要なことであります。本稿では、一方的なアプローチを避け、多面的に問題を考えることで、読者の皆様に新たな中国観を提供したいと執筆いたしました。ぜひ、御一読ください。
2010.10.15 国際学術活動 国際知的財産法制度
長沢幸男弁護士が、中国社会科学院知的財産センター李明徳先生、中国科学院研究生院閻文軍先生と国際知的財産法制度の現状と課題について意見交換をしました。

2010.09.15 国際学術活動 大学における知的財産管理
長沢幸男弁護士が、清華大学科研院を訪問し、日中両国の大学における知的財産管理の現状と課題について意見交換をしました。

2010.03.30 3極からIP5へ
2008年の世界知的財産権機関による世界特許報告「World Patent Report: A Statistical Review (2008)」によれば、2000年および2006年の国際特許出願数、国際特許付与数ともに東アジアの新興国である中国、韓国の伸びが目立っている。具体的に報告書の統計に基づいてみると,国際特許出願数は、2000年では中国1.9%、韓国6.3%、2か国の合計が8.2%であったものが、2006年では中国7.3%、韓国9.8%、2か国の合計が17.1%になっており,2000年からの6年間で,国際特許出願数の割合が中国は約3.6倍,韓国は約1.5倍になり、両国の合計割合は全体の6分の1を超えるに至っている。また、国際特許付与数についても、2000年では中国1.3%、韓国5.8%、2か国の合計が7.1%であったものが、2006年では、中国3.6%、韓国14.1%、2か国の合計が17.7%となり,国際特許付与数の割合が中国は約2.7倍,韓国は約2.4倍になり、こちらも両国の合計割合は全体の6分の1を超えるに至っている。
また、長引く世界的な不況下で、世界経済の中の新興国の役割の重要性の高まりについて異論はなく、先進国による強固なリーダーシップにより世界経済を牽引していくのは難しくなってきており、特許分野における国際的な枠組み作りについても同様のことが言えるであろう。
そこで、特許分野における国際協力についても、「IP5」としての取組みが強調されるようになってきた。この様な枠組みが基軸となる協力関係において、東アジアの1か国として、これまでも特許分野の3極間の国際協力に長らく参与してきた日本はどの様な貢献ができるであろうか。
歴史的な要因などからどうも東アジアにおける協力関係の構築をあまり得意としていない日本。そんな日本が変わらなければ、東アジアの3カ国はこれまでの様に異なる方向を向きながら「IP5」をもとにした国際的協力体制の構築に参加することになるだろう。では、日本が変われるとして、東アジアの自体が何らかの形でまとまる道はあるのか、国際特許出願数、国際特許付与数ともに徐々に世界的なシェアを減らしている日本、今後の在り方については注目に値する。
さて、さる11月12日、京都大学で、東京大学政策ビジョン研究センターが「アジア知財学術会議(詳細は、http://pari.u-tokyo.ac.jp/event/report/smp_rep091112.htmlを参照)」、「日米欧三極知財シンポジウム」を同日開催した。大学だからこそ、柔軟にできるこの様な取組みというのは、非常に重要だ。
これまでも、長沢特許事務所は東アジアの国際交流の重要性を認識し、交流、研究活動を続けてきた。従前の活動を継続し、特許分野における東アジア交流について検討を続けていきたい。
(古谷真帆)
2009.12.30 2009年をふりかえって~知的財産政策関連
さて、2009年の各国の動向を簡単に紹介すると、先ず、米国では9月に米国イノベーション戦略(正式名称は、「A Strategy for American Innovation: Driving Towards Sustainable Growth and Quality Jobs」、ホワイトハウスのホームページより参照(英語)。)が発表された。同戦略の中では、イノベーションのための環境、教育等のための投資を行い、起業を活発化させることにより競争を促進させ、環境問題など国家としての重点的に取り組むべき技術分野を発展させる構想を描いている。知的財産分野に関しては、米国特許商標庁が主導し、効率的な運用がなされるための特許制度改革を掲げている。
韓国では、就任後一年が経過したイ・ミョンバク政権が7月に「知的財産強国実現戦略」(詳しい内容については、国家競争力強化委員会のホームページを参照(韓国語)。http://www.pcnc.go.kr/nccusr/m03/PolyView.aspx?seq=39&page=0)を公表した。同戦略は、大統領直属機関である国家競争力強化委員会により、第15回国家競争力強化会議において報告されたものである。本戦略の中では、知識基盤型経済への転換や技術革新の促進政策を講じ、韓国が「知的財産先進強国」に転換することをその目標とし、各重点課題が策定された。今後、政府の強力な主導の下、多額の予算を投下して、各課題が実施されていくであろう。
中国では、昨年6月に策定された「国家知的財産戦略綱要」(詳しい内容については、国家知的財産権戦略ネット、http://www.nipso.cn/を参照(中国語)。)の実施のため本年3月に「2009年国家知的財産権戦略実施推進計画」が発表された。本計画は第一部と第二部に分かれ、第一部では推進計画の大きな方向性や目標等が定められ、第二部では、具体的に240あまりの施策が掲げられた。また、2006年より毎年策定されている「知的財産保護行動計画」の2009年実施分も発表され、知的財産に関する国家的な取組みが推進されている。
わが国では、1995年制定の「科学技術基本法」をもとに策定された「第三期科学技術基本計画」が、2006年4月からスタートし2年目をむかえている。
各国がイノベーションの更なる創出を目指し、それを担保するために、知的財産制度の効果的運用のための施策を講じている中、イノベーション創出の主たる担い手が民間企業であることは変わらないだろうが、国家としてどの技術分野に重点的に資金を投下し、イノベーション創出の下支えをし、また、創出された技術をどの様に有効に活用していくのか、国家の舵取りいかんによっては、今後、企業活動にも大きな影響を及ぼすことであろう。
(古谷真帆)
2009.10.30 鄭成思教授追悼3周年シンポジウム
北京で開催された鄭成思教授追悼3周年シンポジウムに参加してきた。主催は中国社会科学院知的財産センター、中国知的財産研究センターそして中国法学会知的財産権法研究会。昨年、特許法が改正されたこともあり、今回のテーマは「商標法の改正」であった。
参加者は、実務家、研究者あわせて約50名。大きく3セッションに分かれて、1セッション、司会者1名、講演者が4名、解説者が2名という構成でテンポよく、運営されていた。
中国の商標法は、改革開放後に商標法が施行される以前に「商標管理条例」という規則が施行されていたこともあり、その土台に商標法が乗っかってしまったという経緯がある。特許法は、改革開放後の立法過程で、発明に対して奨励を与えるのか、それとも特許権を与えるのかという根本的な問題について議論が重ねられたが、他方で、商標法については、立法時の旧法との差異が明確にされなかったぶん、根本的な、概念的な点についてあまり十分な議論がなされてきていないとの印象を受ける。
本シンポジウムではその様な点も考慮しているのか、最新の欧米の立法、判例の動向などについて言及しつつ、中国的な問題を振りかえるような構成がとられていた。
シンポジウムの開催にあたっては、ただ著名な講演者をならべれば良いものではなく、講演者の選定から発表の順序、もちろん、講演内容に合わせた司会者、解説者の選定など、その設営全般にわたり開催者のセンスや力量が問われる。
シンポジウムは、単に講演がなされ、議論も消化不良なままに終わりがちであるうえ、テーマとして選ばれた中国の商標法改正自体、今後の方向性が見えにくい状況にあるといえるが、その様な中で、本シンポジウムは、非常に巧妙に中国の国情に合わせたものであったと感じた。
シンポジウムの内容は今後書籍として刊行されるので、詳しい内容についてはそちらを参照して、また次の機会に紹介できればと思う。
(古谷真帆)

2009.06.15 「知的財産法で見る中国」が発明協会より出版!
長雨の候、皆様は如何お過ごしでしょうか。
この度、長沢と古谷が共同で執筆した「知的財産法で見る中国」が発明協会より出版される運びとなりました。
日中の知的財産法分野での交流は、従前、西洋的な知的財産法制度を先に導入した日本が中国を教化するというような発想で行われることが多かったのですが、私どもは、後から制度を導入した中国からも学べることが多いのではないかという視座において、中国の大学、研究機関と相互研究、相互交流を実施して参りました。中国の知的財産法研究の第一人者鄭成思教授は、われわれのその様な活動をご理解、ご支援くださいました。
今回刊行される「知的財産法で見る中国」は、突然ご逝去なさった鄭成思教授に対する哀悼の意をこめて、相互研究、相互交流というわれわれなりの出発点から、中国の知的財産法を分析し、その新しい読み方を提示しようとした奮闘した様子を描いたものです。
具体的には、日本法の分析において通常用いられている、法解釈の手法により、中国知的財産法及びその周辺法を説明していこうとするもので、法解釈の手法を用いることにより、主観的な中国の法制度への見方をできる限り排除し、より客観的なその姿を浮かび上がらせることを企図しております。
この様な中国の法制度に関する分析のアプローチもあることを皆様にぜひご一読頂きたく存じます。もちろん、われわれの見解だけが正しいわけでもありませんから、皆様から屈託のないご意見をたくさん拝聴できることを楽しみにしております。
相手と対話をしたければ、相手のことを良く知っているほうが話ははずみます。対話をした上で、相手に自分の考えを納得させるには、感情で、思い込みでぶつかっていくことは避けなければなりません。
「知的財産法で見る中国」をぜひ手にとられ、中国の法制度、中国自体に対する新しい見方をぜひ発掘してください!
2009年6月 長沢 幸男 古谷 真帆
知的財産法から見た中国
目次
〈鄭成思教授の御略歴〉
第1部 知的財産フォーラム2004講演録
第2部 日中比較知的財産法
第3部 中国知的財産法の基礎である中国法の理解
〈資料編〉
・最高人民法院知的財産判例50選
・2008年中国特許法改正の概要
A5判 208頁 定価1,260円(税込) 送料290円
http://www.jiii.or.jp/ 発明協会ホームページ
特許電子図書目録からお買い求めいただけます。

2008.09.30 長沢幸男通信 9月号(2008)
中国社会科学院の李明徳教授、閻文軍准教授とは、私が北京大学客員教授在勤中の2004年5月に、4日間合計16時間に及ぶ中日特許法の比較研究に御協力を仰いで以来、親しくお付き合いいただいています。その比較研究には、当時北京大学留学中の古谷真帆さんにも参加してもらいました。
両教授は、その後、時期を異にして、東京でそれぞれ半年間の留学研究をされるなど、日本との学術交流を重視され、去る7月29日にも、経済産業調査会の御招待により、東京へお越しになり、全1日を費やして中国知財法の講義をされました。私と古谷さんも、受講生として勉強させていただきました。また、講義前日の28日には、私の事務所に御足労いただき、3時間にわたり、両教授、私、古谷さんの4人で、2004年当時と同様の形式で、知財法の中日比較研究を行いました。その成果は、今後、論文として出版し、広く皆様に御覧いただきたいと思っています。
そこで、今月は、中国社会科学院で研究中の古谷さんに、最近の中国知財法の動向について、その一端を紹介していただくことにしました。
「中国の知的財産戦略」
今回のテーマは、中国の知的財産戦略です。日本では、知的財産戦略会議の設置から、知的財産戦略大綱、知的財産基本法の制定、施行を経て、平成15年3月から、内閣に知的財産戦略本部を設置し、毎年知的財産推進計画を策定、実施してきました。それは、技術立国から知財立国への流れの中でおこったのですが、技術立国、知財立国を同時に行おうとしている国があります。それが、中国です。1978年に改革開放を実施し、その後30年余りで世界経済にも影響を与える大国となった中国、その中国が知財立国を成し遂げる政策として策定されたのが、今回の国家知的財産綱要です。綱要の内容は、5つの部分に分かれています。それぞれ、綱要の策定の必要性を歴史的経緯から述べた「序文」、2020年までの長期目標、ここ5年の短期目標を掲げた「指導思想と戦略目標」の部分、「戦略重点」の部分では、戦略の方向性を、その後の「個別課題」(7つの個別課題)では、知的財産権ごとの対策を明示し、最後の戦略措置の部分で「戦略重点」(9つの戦略重点)の部分を更に詳細に定めました。この大綱により、中国が対外的に国家としてどの様に知的財産への取り組みを示したいのかを垣間見ることができるといえるのではないでしょうか。しかしながら、中身は抽象的な記述が多く、具体的な数値目標等はないので、この大綱のみで直ちに中国の姿勢を推測するのは難しく、又皆様の関心事である「果たして中国で今後知的財産の実質的保護が強化されるか」という点について未だ明言できない状況であります。但し、注目すべきは、国務院の行った綱要公表の記者会見で、各知的財産法の改正について言及がありました。国家知的財産権局の張勤副局長は「特許法」の草案が今年中に人民代表大会で決議を経るだろうと述べており、国家工商行政管理総局付双建副局長「商標法」に関しては、現在工商局で検討、今年中に、全人代法制工作委員会に初稿が提出される予定だと発表されました。又、著作権法の改正について、国家版権局版権管理部門許超副部門長は、改正の検討は必要ではあるが、現段階では国務院の立法計画には入っていない、しかし著作権法に関連する2つの行政法規(録音製品の費用に支払いに関する基準、民間文学芸術の保護に関する法令)については、既に立法計画に入っているのでそれらについては、近い将来、成立、公布されるとしました。綱要自体は、先に述べたように政策目標に過ぎないですがこの様に立法活動に影響を及ぼすのであれば、意義のあるものと考えても良いのではないでしょうか。国家が打ち出す「知的財産戦略」自体については、知的財産保護強化の路線、即ちプロパテント路線、それとは反対にアンチパテント路線があって良いかと思います。中国の経済発展状況に、先進国と同様な知的財産戦略が必ずしも妥当するとはいえず、如何に知的財産保有国からの攻勢を防御するという観点からの政策が策定されるのかと密かに思っておりましたが、中国は、それを飛び越えた形で、自分も知財保有国をめざすと高らかに宣言しました。目標は概して崇高なものでありますが、それが実行されるのは、チェック機能、達成されない場合のペナルティーがないと中々難しいというのが実情でしょうか。今後の相次ぐ、知的財産関連法令の成立、修正を見ながら、今後の中国について検討を重ねていこうと思います。
編集後記
今回は中国について取り上げました。執筆者の浅学ため、記載が不正確、不十分なところもあるかと思いますが、ご容赦いただけますと幸いです。
今年、中国は喜ばしいこと、そうでないことを両方抱えて、更に自分の方向をめざして歩みを進めていると考えております。どちらの現象からも、そこには「つよさ」があります。彼らの「つよさ」を言葉で適格に表現するのは私の能力ではできかねますが、この「つよさ」からは私はいろいろなことを学びました。
2008.01.01 2008年年頭ご挨拶
本日、弁護士として所属する法律事務所を、変更いたしました。また、これに伴って、特許事務所も、新橋から丸の内に移転しました。スタッフ2名も、私と一緒に異動しました。御面倒をおかけしますが、実務における活動内容に、変更はありませんので、昨年同様、お役に立てることがありましたら、御用命ください。
御報告が遅れましたが、学術活動では、昨年11月に、東京大学で再び特任教授任命を受け、新しい出発をしました。今回は、大学院工学系研究科の、技術経営戦略学という部門に所属して、工学を専攻する学生の皆さんに、国際知財戦略などの講義をしています。アジアからの留学生が多く、北京大学やソウル大学で講義をしていたころを思い出します。さらに今年は、「アジア技術経営プログラム」という、留学生に対する修士課程プログラムに、積極的に関わっていく予定ですので、御期待いただきたいと思います。
最後に、昨年は、このホームページからの発信が活発ではなかったと、反省しています。より充実したホームページにするよう、気持ちを新たにして、新年のスタートにしますので、御意見などお寄せいただき、御支援賜りますよう、お願いいたします。
長沢幸男
2007.06.28 ホームページをオープンしました!
これからもよろしくお願いします。
